2010年6月28日月曜日

「反貧困」





一ヶ月ほど前のエントリの続き。
北欧各国が高福祉国家であり、同時の税金が高いことも知られています。一般に、国家が福祉を充実させるべきか否かは、福祉のただ乗り論を含めて賛否のあるところですが、J.サックス氏の著作では数字をあげてその是非を問うています。
高福祉国家は貧困率が低く、一人当たりのGNPが高く、技術面でも高い競争力を保持していると言うことです。


前掲書P.354
「社会福祉への支出を増やすことは、豊かな社会において不平等や不安感の解消につながるばかりか、人びとの間に地震や信頼感を育てるのにも役立ち、その結果、国際社会でもより寛大な態度がとれるようになるということである。そのような国家は、世界中の貧しい人や弱い人びとを、自国の国民と同じように扱うだろう。」


実際に、グラフを用いて、スウェーデンの国際援助が高い割合になっていることが示されています。


この本は、オバマ大統領の国民皆保険制度が成立する前に書かれています。独立以来始めて、相互扶助(他者へのまなざし)を元にした保険制度を成立させたアメリカが今後の歴史においてどのような援助政策を取るのか興味深いと思います。なにしろ同法案への反対意見とは要するに、今まで自己資金で医療保険を購入していた富裕層が、「貧しい人間を医療保険に加えたら、保険料が高くなるじゃないか!俺たちの保険になにするんだ!」というものだったようですから。






それでは、日本の福祉政策、特に貧困対策はどうなっているのでしょうか。実は、僕は今まで深刻な貧困は日本以外の国のことであると思っていました。数年前の”派遣村”もマスメディアではただ乗りの指摘がメインだったように思います。


その派遣村を主導した湯浅誠氏の著作。湯浅氏の来歴や人となりはこちらの記事に詳しく載っています。




日本における貧困が、”自己責任”の名の下に如何に無視され、固定化されているかをこの本では明らかにされています。


非正規雇用者の増加による”雇用のセーフティネット”の崩壊、それにつながって”社会保険のセーフティネット”の崩壊、予算削減の名の下に役所で行われる”公的扶助セーフティネット”の崩壊。


全て、一度貧困に陥ったら再チャレンジが不可能な状態を作り出し、世代に受け継がれる貧困状態を作り出しています。


さらに湯浅氏命名による”貧困ビジネス”の跋扈。”貧困ビジネス”とは貧困の救済ではなく、固定化による搾取を目的としたビジネスです。例えば、日雇い労働者を宿舎に囲い込み、法外な賃料や電気代などを請求するようなことです。


前掲書P.87
「姿が見えない、実態が見えない、そして問題が見えない。そのことが自己責任論を許し、それゆえにより一層社会から貧困を見えにくくし、それがまた自己責任論を誘発するという悪循環を生んでいる。貧困問題解決への第一歩は、貧困の姿・実態・問題を見えるようにし(可視化し)、この悪循環を断ち切ることに他ならない。本書執筆動機もまた、それ以外にはない。」


今の日本社会は、例え今は正規雇用者として働いていても、何かのきっかけで生活の糧を失った時に、セーフティネットが機能せず、転落してしまい、再チャレンジが非常に困難になっています。これを形容するのが同書のキーワード「すべり台社会」です。

正直、気がついたらそうなってしまっていたのが今の社会でしょうか。でも気がついたのなら是正も可能でしょうか。どんな社会を創りたいのか、社会とは何か。一読頂きたい本です。

2010年6月17日木曜日

寄付Save the Children

皆様から頂いたヨガクラス代金から経費を除いた分を寄付しました。
今後ともよろしくお願いします。



2010年6月13日日曜日

バイクでロングライド

先週日曜日の振休で月曜日にロングライド。多摩サイから浅川サイクリングロードを経て、和田峠を登った。。。最後は自転車を押して。登り切れなかった(笑。
平日の峠は静かだった。蜂がぶんぶん飛び回っていなければゆっくりしたかった。相模湖側に降りて、大垂水峠を越えて八王子市街を抜けてから浅川サイクリングロードへ戻り、多摩サイで帰宅。140km。


今日は、多摩サイをもっと福生南公園まで上り、武蔵五日市駅から都民の森へ上った。押しはしなかったけど、休み休み。
今日のバイクは木曜日にメイストームで組み上がったばかりの新車。ホイールは練習用。奥多摩湖側へ降りた。途中、月夜見第2駐車場に立ち寄って、今年のハセツネでまたここに来るんだなあと。。。たどり着けるか?向かい風を受けながら青梅街道-新青梅街道を通って帰宅。170km。


一回目はグレッグ・レモンの2004年型ブエノス・アイレス。レイノルズ853を使ったクロモリバイク。10kgぐらいある。コンパクトドライブ装備。


二回目はオルベアのオルドゥ。カーボンバイク。7.6kgぐらい。同じホイールとタイヤと空気圧。


TTバイクのオルドゥの方が、当たり前だが軽くて平地は早い。それでいてショック吸収性もレモンより良かった。標準?コンパクトドライブなのでだったが登りはつらかったけど。電動デュラも良かった。今日はほとんど使わなかったけど、DHバーでの変速が特に楽。


良くクロモリバイクは柔らかいとかいうけど、レイノルズ853で”走る”バイクを作ったら、そんなことはない。フレームの素材はバイク性能の一要素。大きい要素かもしれないけど、設計者次第。あ、乗り手次第でもあるかもしれない。プロなら柔らかいというのかな。とにかく印象批評というやつは当てにならない。


体へのダメージは大きかったので、両日とも夜にマッサージを受けた。自分の身体の状態を知り、弱いところを克服し、より進化する。精神的にもね。


過酷な競技のアスリートは驚くほど謙虚な人が多い。驕り高ぶっていては大自然と自分の身体という自然と日々向き合うことはできない。

2010年6月12日土曜日

動物実験反対デモ

もう一週間経ってしまいましたが、JAVA(NPO法人 動物実験の廃止を求める会)主催の動物実験反対デモに参加してきました。


どんなデモなのかは、こちらの記事が詳しいです。
現在でも、化粧品の開発のために、うさぎの目に薬品を入れたり、毛を剃って傷つけた皮膚に薬品を塗ったりしているわけです。私たちは目に入れるべきでない薬品が入ったりしたら激痛を感じて、すぐ水で目を洗いますよね。でもうさぎはそれが許されません。目が炎症を起こし、激痛を感じても、動くことさえ出来きないように固定され、何日も経過観察されます。そして最後に処分という名の死を迎えます。


このような動物実験は、特にEUで問題視され、2013年までにEU域内で販売する化粧品は動物実験をしてはならないという方向に向かっているようです。ただし、まだ覆される可能性もあるそうです。


動物実験は、化粧品開発のために、必ず実施しなければならないわけではありません。既存でない新しい成分を使用する場合には法律上で定められていますが、そうでなければ避けることが出来ます。


また培養した細胞を使うなどの代替法も開発が進んでいます。


今回のデモの対象であった資生堂も、無定見に動物実験を行っているわけではないようです。彼らの考える”最低限”ではあります。そのことは一定の評価をすべきと思いますが、さらに一歩進んで”偉大な”メーカであって欲しいものです。


彼らにそれを選択させるのは、マーケット、つまり消費者である私たちひとりひとりの意志にかかっています。EUで進んでいる規制が後押しになるかもしれませんが、それよりも動物実験を止めたら、さらにマーケットが広がるということを見せてあげる必要があります。動物実験をしていない化粧品が欲しい。そういう意志を見せましょう。そういう見識を広げましょう。


資生堂は世界において日本の化粧品の代名詞です。その資生堂が動物実験を全面停止した時、日本の他のメーカと世界にあたえるインパクトは大きいでしょう。


少しは話が変わって、今月のジヴァムクティ・ヨーガのテーマは立位のポーズです。特に山のポーズ(タダーサナ)に焦点を当てています。そのタダーサナで、大地(地球)との安定して、幸せな繋がりを感じることを目指します。


大地(地球)との安定して、幸せな繋がりとはなんでしょうか?少し抽象的ですね。でも、大地を「そこに生きるもの」、あるいは「地球環境」と読み替え、「安定」を「持続可能」と、「幸せ」を「傷つけないこと」と考えたらどうでしょう。


ヨガの練習中だけでなく、日常においても実践可能な行動になりませんか。


私たちが選択可能なこと。例えば菜食。エコな生活。そして日用品の購入。少しずつでも実践することで動物達の命を救えるのです。JAVAが発行しているコスメガイドには動物実験を行っていないメーカが沢山載っています。僕が使っている日焼け止めは動物実験の有無について「回答なし」メーカだったので、ガイアから別のものを取り寄せました。


女性の方(最近は男性も?)はもっと大変でしょうが、少しずつでも入れ替えてみてはいかがでしょうか。

2010年6月5日土曜日

THE Cove(日本語吹替版) ネットで観賞可能に

2010.7.3追記 The Cove上映が始まりました。このファイルは既に削除されてしまっています。

http://peacedoor.p1.bindsite.jp/movie/ 

Some theater in Japan stopped plan of showing The Cove ,because of an opposition movement and a threat.
But we can watch The Cove japanese edition on internet.
Please talk with your friends about this.

脅迫や抗議運動のため、東京と大阪のThe Cove上映が中止に追い込まれています。
是非ネットでご覧下さい。そしてお友達にこのことを教えて下さい。
いろいろな反応、感想があるでしょうが、観てから判断して下さい。

2010年6月2日水曜日

ハセツネ再び。。。

奥多摩全山71.5Km、累積標高差5000mのコースで行われる「日本山岳耐久レース(24時間以内)長谷川恒男CUP」、通称ハセツネに2年ぶりに参加(10/11-10/12)します。

前回は22時間かかって完走。あまりの過酷さに二度と出るまいと思ってましたが、魔が差して申し込んでしまいましたとさ。

6月1日10時ランネット申し込み開始にアクセスしたら、まったく繋がらない状態。40分程待って、なんとかiPhoneの小さな画面でちまちまエントリー完了。

ま、やるしかないね。

今回はストックを使ってみよう。

2010年6月1日火曜日

「地球全体を幸福にする経済学」

前回のブログは憎しみの連鎖を断ち切らなければならないというところで終わったのですが、どうやってそれを成すのか。そのひとつの答えがここにあるかもしれません。






原題は「Common Wealth(連合体)過密化する地球に対する経済学」


著者ジェフリー・サックス氏(以下JS氏)の前著「貧困の終焉」で貧困に苦しむ人達が開発の梯子の一段目に手をかける為の援助を説いていました。


本書では人口が増大し、過密化する地球における環境問題、人口問題、そしてその解決のための経済的施策を記述しています。


貧困と人口爆発に苦しむ地域と戦争・紛争が起きている地域は重なっています。先進国と逆にそこでは若年層が多いのです。そこでは若者・子供が食べるために兵士となり、また突然打ち込まれるミサイルで同胞を殺される”怒れる若者達”の憎しみがテロを引き起こす。


その解決策は、さらなる軍事行動ではないはず。根本の問題を解決する必要があり、それは可能であり、しかもかかるコストは低いというのがJS氏の主張です。



しかし、JS氏のみが全てを見通しているわけではなく、経済学的に正しい結論でもそれが実行に移されない理由が多数あるはず。人々の無関心、国家のエゴ、文化の対立、ガバナンスの欠如。また著者の望む化学肥料による農業革命は別の問題を引き起こすかもしれません。


いずれにせよ、400ページ以上ある本なので概説を書くのも大変だし、興味のある方はご一読下さい。


ただ、僕の興味を引いた論点を先ずひとつ挙げます。
JS氏は米国人であり、自国のブッシュ政権時代の外交政策(敵か味方かという単純な区分け、軍事を優先して貧困対策のための補助金を削減するなど)を手厳しく批判しています。例えば、2007年度軍事費5,720億ドル。開発と人道援助140億ドル。


では、日本の現状はどうなっているのか?
先ず、防衛費(当初予算)の推移
http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2009/2009/html/ls22c000.html
4兆7千億円前後で推移しています。


次にODA予算。ここを読むとODAについて相当判ります。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/nyumon/hayawakari/hayawakari_4.html
近年、ODA予算はどんどん削減されています。09年度で6,722億円。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/yosan.html
ざっと防衛費の8分の1。


一般歳出と防衛費、ODA予算をならべると、97年度をピークに減少が顕著です。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/nyumon/hayawakari/pdfs/12.pdf


91年頃にバブルが崩壊して、その後失われた10年と言われる日本経済低迷期にもかかわらず、97年度まで増額していました。それが景気拡大期には逆に減少の一途。
ODAの対GNI(国民総収入)比と国民一人当たりの負担額はトップの10分の1です。


ミレニアム開発目標の達成度は低く、かなり厳しい状況です。
http://www.unic.or.jp/pdf/MDG_Report_2009_J.pdf


世界の貧困の問題は、地球環境維持と戦争をなくすことにつながっています。私たちにとって、他人事などではまったくありません。
世界での日本の存在感は下がるばかりです。軍事貢献ばかりではだめです。今世紀は中国の世紀と言われていますが、いずれアフリカが貧困を脱出した時、人も含めた豊富な資源を持つ彼らの世紀がやってくるでしょう。国家100年の計が必要な時ですが、日本の政治家は首相を筆頭に100秒後も考えていなさそうです。。。。


そして次の論点は、高福祉国家ほどODA援助に熱心であることです。また次回。